基礎知識

法人成りのメリット・デメリット

会社設立のメリット 会社設立のデメリット

会社設立のメリット

消費税が2期免除される(資本金1000万円未満)

資本金1000万円未満で法人を設立すると、設立第1期目と2期目について、消費税の納税義務が免除されます。そのため、最初の事業年度は決算月を設立から12カ月あったほうが業種にもよりますが有利になります。
(但し、会社分割等をした場合を除きます)

欠損金の繰越控除が7年まで認められる

青色申告をすると、欠損金(赤字、マイナスの所得)が発生した場合に、その額を翌期以降に繰り越して、後の黒字と相殺させる事が可能ですが、期限があり、個人の場合は3年、法人の場合は7年となっています。

生命保険料を損金に算入できる

契約の内容にもよりますが、保険契約者が法人の場合、役員又は従業員を被保険者とする生命保険料は、全額又は半額を損金に算入することが出来ます。
一方個人の場合は、最大で10万円の所得控除が受けられますが、それ以上のメリットはありません。

家族・親族に給料を支払える

個人事業の場合 法人事業の場合
基本的に経費とならないが、以下の条件を満たすと経費となる。
  • 同一生計・15才以上
  • 事業に専従している
  • 労務の対価として相当
  • 予め税務署に届け出る
但し青色専業専従者給与の支払を受けると、配偶者控除・扶養控除は対象外に
基本的に経費となる

【解説】

家族や親族に対して給料を支払い、それを事業の経費とすることを考えてみましょう。

個人事業者の場合は、あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出しなければなりません。更に、青色申告者と同一生計の親族(15才以上)で、事業に専従している(事業期間の半分以上事業に従事している)者に対して支払った、労務の対価として相当な額のみが、経費として認められます。 また事業主が、配偶者控除や扶養控除を受けられなくなります。

法人事業の場合はこういった制限は無く、例え非常勤であったとしても、会社の経費として報酬を支払うことが可能です。夫婦や家族の家計トータルで節税を考えるケースにおいては、重要なメリットと言えます。

(一定以上の所得で)税額が低減する

個人事業の場合 法人事業の場合
イメージ図
給与を支給し、法人自体は赤字というケースも考えられます

【解説】

個人であれ法人であれ、収入から経費を差し引いて、残った利益(図の肌色部分…所得)に対しては、税が課されます。個人の場合は所得税、法人に対しては法人税です。(会社が社長個人に対して支払う給与・報酬は、株主総会で決定し、会社にとっては経費になる…という点がポイントです)

ここで、社長個人に対する会社からの報酬(給与)に対しても所得税が課されますが、これは「給与所得」となりますので、最低65万円の給与所得控除を受けることができます。(図の赤い部分。)

一方、個人事業の場合、利益は「事業所得」となりますので、上記の控除はありません。(青色申告者に限り65万円の特別控除があります。)この点が法人事業の大きなメリットの一つでしょう。他に事業税についても負担が軽減します。(住民税均等割は負担増となるデメリットがあり、それについては後述します。)

信用力が高まり、借入・取引・採用等で有利

一般に、個人事業よりも法人の方が信用力が高いと考えられます。金融機関からの融資が受けやすかったり、業界や企業によっては、法人でなければ取引して貰えないケースがあります。その他、従業員を採用する場合や店舗・事務所を借りる際など、法人であることが有利になる場面は様々に考えられます。

出資の範囲の有限責任となる

個人事業主は債務に対して無限責任を負いますので、万が一事業が失敗した際には、全財産をもって、買掛金や借入金の返済に充てなければなりません。
法人の場合、出資した資金の範囲で損害を負いますが、それ以上の責任を負うことはありません。(但し借入に際して個人で連帯保証人になっている場合等は、その責任を負うことになります。)

事業承継が容易

万が一の話が続きますが、経営者が病気や怪我、高齢などによって経営を続けられない事態に至ったとしても、法人組織であれば事業の承継が容易であり、財産の評価方法の違いから相続税面でもメリットが出てきます。

決算日を自由に設定できる

個人事業の場合 法人事業の場合
事業年度の違い
暦年(1月1日~12月31日) 期間1年以内で自由に設定

【解説】

個人事業の場合、事業年度は暦年と決まっています。
一方、法人の事業年度は自由ですので、繁忙期と重ならない様に決算日を設定するといった事が可能です。

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会社設立のデメリット

会社設立費用や各種登記費用が必要

会社設立そのものに要する費用や印鑑等の付随する費用、設立後も役員変更登記などの費用が掛かります。

均等割が最低7万円発生する

個人事業の場合 法人事業の場合
住民税
個人
均等割 4,000円
所得割 所得の10%
個人
均等割 4,000円
所得割 所得の10%

法人
均等割 70,000円~
法人税割 利益の17.3%

【解説】

地方税である住民税について、個人事業と法人事業の違いを比較するには、均等割・所得割・法人税割を考慮します。所得割と法人税割の有利・不利については、国税の所得税と法人税に連動すると考えて下さい。

注目すべきは均等割で、これは所得・利益の多寡に関係なく発生します。(赤字でも支払わなければならないということです。)個人事業と比較した場合、法人負担分の最低年7万円という金額が追加になる格好です。

交際費に制限がある

個人事業の場合 法人事業の場合
全額を必要経費に算入 90%が経費として算入
(600万円が上限)

【解説】

個人事業の場合、接待交際費を全額必要経費に算入できますが、法人の場合交際費の10%は経費としては認められません。また、600万円が上限金額となります。

経理事務の負担が増大する

法人税法において、青色申告法人は、複式簿記によって取引を記録し、その記録に基づいて決算を行うことなど、正規の簿記の原則に従って会計帳簿・決算書類を作成することが義務付けられています。これにより経理事務の負担が増大することが考えられます。

しかしながら、正確に経営成績を把握していくことが可能ですので、その意味ではメリットも存在すると言えます。

社会保険への加入義務が発生する

個人事業の場合 法人事業の場合
厚生年金保険・健康保険
個人事業主・家族従業員は加入できない
(一般従業員は可能)
法人は自動的に強制適用事業所となる
(取締役も法人と雇用関係)
労働保険
個人事業主・家族従業員は基本的に加入できない
但し 特別加入制度あり (一般従業員は強制)
加入義務発生
(取締役も法人と雇用関係)

【解説】

個人事業の場合、社会保険(厚生年金保険・健康保険)については任意適用事業所とされる場合があり、労働保険については、個人事業主と家族従業員は加入できないのが基本的な取り扱いとなっています。

法人は、例え取締役1人だけの会社であっても、社会保険・労働保険ともに加入義務があり、コストも発生します。しかし逆に、個人事業主は厚生年金へ加入出来ませんし、従業員を雇う場合、社会保険は1つのポイントになるでしょうから、そういった面では逆にメリットとも考えられます。

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